東京競馬場のダート1300mは、JRA唯一の特殊な距離設定で、多くの競馬ファンや予想家から注目を集めています。スタート直後の上り坂や日本最長のダート直線など、独特のコース形態がレース展開に大きく影響を与えます。この記事では、東京ダート1300mの特徴や攻略ポイントを詳しく解説し、馬券戦略の参考となる情報をお届けします。
東京ダート1300Mの基本情報
向正面半ばからスタートし、3コーナーまで約340mの距離があります。スタート直後は緩やかな上り坂となっています。3~4コーナーはほぼ平坦で、最後の直線は日本のダートコースで最長の501.6mを誇ります。直線途中には緩やかな上り坂があり、スタミナと持久力が求められます。
脚質別の傾向
スタート直後に上り坂があるため、スタートダッシュを決めてもスピードが落ち着きやすく、結果ペースも落ち着き逃げ・先行馬にとって有利な流れとなりやすい傾向があります。もちろん、最後の直線が長いため、差し・追い込みが決まることも度々ありますが、前半での位置取りが悪いと厳しい展開になりやすいです。
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 8- 4- 7- 42/ 61 | 13.1% | 19.7% | 31.1% | 59 | 78 |
先行 | 17- 20- 14-124/175 | 9.7% | 21.1% | 29.1% | 149 | 122 |
中団 | 15- 15- 22-222/274 | 5.5% | 10.9% | 19.0% | 153 | 91 |
後方 | 7- 8- 4-181/200 | 3.5% | 7.5% | 9.5% | 26 | 53 |
集計期間:2023. 2. 4 ~ 2025. 2.16
前走の脚質をチェックすることで今回の位置取りを想定することもできます。馬券的にねらい目となるのは、前走先行もしくは中団での競馬だった馬です。具体的にいえば前走3コーナーを1~8番手で通過した馬が注目のパターン。ただし、このパターンでは前走も同じコースだった場合、過剰に人気になりやすく馬券期待値は大幅に下がります。前走からの距離延長もしくは短縮で臨む馬に注目することで、より激走率の高い馬をあぶり出すことができます。
枠順の影響
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 8- 9- 9- 66/ 92 | 8.7% | 18.5% | 28.3% | 375 | 137 |
2枠 | 6- 12- 9- 65/ 92 | 6.5% | 19.6% | 29.3% | 99 | 93 |
3枠 | 6- 3- 2- 84/ 95 | 6.3% | 9.5% | 11.6% | 71 | 57 |
4枠 | 2- 1- 2- 91/ 96 | 2.1% | 3.1% | 5.2% | 153 | 86 |
5枠 | 7- 6- 4- 81/ 98 | 7.1% | 13.3% | 17.3% | 40 | 52 |
6枠 | 8- 3- 10- 79/100 | 8.0% | 11.0% | 21.0% | 74 | 55 |
7枠 | 8- 7- 10- 75/100 | 8.0% | 15.0% | 25.0% | 61 | 121 |
8枠 | 5- 9- 4- 82/100 | 5.0% | 14.0% | 18.0% | 42 | 78 |
集計期間:2023. 2. 4 ~ 2025. 2.16
内枠の優位性:1枠や2枠などの内枠が好成績を収めています。特に1枠は勝率が高く、スタート後のポジション取りがしやすいことが要因と考えられます。複勝率でみれば1~2枠に注目です。特に前走4コーナー1~8番手で3着内に好走した馬の単勝・複勝期待値は高く、4着以下では単勝期待値はぐっと下がるものの複勝回収率は高いので無視は禁物です。
外枠の不利:外枠からのスタートはコース取りが難しく、不利になる傾向がありますが、人気馬に関してはその限りではなく、馬番⑫~⑯に入った単勝1番人気馬は勝率47%複勝率76.5%単勝回収値132円複勝回収値108円と安定度は高いです。また馬番⑫~⑯に入った場合、牝馬よりも牡馬の方が好走率が高まります。馬格で劣る牝馬は内枠で器用に立ち回れるタイプを狙うのがポイントになりますね。
血統から見る東京ダート1300mの傾向
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダノンレジェンド | 5- 2- 0-12/19 | 26.3% | 36.8% | 36.8% | 90 | 52 |
パイロ | 2- 2- 1- 8/13 | 15.4% | 30.8% | 38.5% | 50 | 70 |
イスラボニータ | 3- 3- 1-13/20 | 15.0% | 30.0% | 35.0% | 154 | 231 |
コパノリッキー | 3- 1- 0-16/20 | 15.0% | 20.0% | 20.0% | 1289 | 114 |
ヘニーヒューズ | 3- 2- 0-17/22 | 13.6% | 22.7% | 22.7% | 191 | 60 |
ドレフォン | 3- 3- 4-19/29 | 10.3% | 20.7% | 34.5% | 98 | 97 |
集計期間:2023. 2. 4 ~ 2025. 2.16
マイナー系種牡馬のダノンレジェンドが当コースでもっとも好走しています。ただし好走しているのは単勝1~2番人気に支持された馬のみ。3番人気以下では全くと言っていいほど走りません。パイロも同様に上位人気馬限定で狙うのがポイント。
リストにイスラボニータとコパノリッキーというサンデーサイレンス系種牡馬が入っていますが、父サンデーサイレンス系産駒は前走からの出走間隔が6週以内までがねらい目で、7週以上の間隔を開けることでの好走はあまり見込めないという傾向です。上記リストに入っていないサンデーサイレンス系を見かけたら、まずは出走間隔をチェックすることで期待値の高い馬に絞り込むことができます。
東京ダート1300mで注目すべき騎手と調教師
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
三浦皇成 | 3- 1- 2-11/17 | 17.6% | 23.5% | 35.3% | 62 | 65 |
永野猛蔵(引退) | 4- 0- 1-19/24 | 16.7% | 16.7% | 20.8% | 226 | 59 |
戸崎圭太 | 4- 3- 2-21/30 | 13.3% | 23.3% | 30.0% | 78 | 50 |
横山武史 | 3- 2- 3-21/29 | 10.3% | 17.2% | 27.6% | 27 | 48 |
原優介 | 3- 2- 3-22/30 | 10.0% | 16.7% | 26.7% | 31 | 93 |
集計期間:2023. 2. 4 ~ 2025. 2.16
全体的に回収値が低くなっていますが、いずれの騎手も単勝1番人気馬に騎乗でしっかり結果を残していることを示しています。原優介騎手が若手騎手が好成績を残している点にも注目ですね(永野騎手は引退済)。原騎手も積極的な競馬によってこのコースで結果を残しているので、前走で後方の位置取りだった馬に騎乗する際は評価を下げてみるのもよさそうです。
つづいて、東京ダート1300M戦で好成績を残している調教師です。
調教師 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
(美)加藤征弘 | 2- 2- 1- 5/10 | 20.0% | 40.0% | 50.0% | 99 | 92 |
(美)高橋文雅 | 2- 1- 0- 8/11 | 18.2% | 27.3% | 27.3% | 77 | 41 |
(美)中川公成 | 3- 3- 1-10/17 | 17.6% | 35.3% | 41.2% | 181 | 153 |
(美)伊藤圭三 | 4- 2- 2-18/26 | 15.4% | 23.1% | 30.8% | 197 | 82 |
(美)矢野英一 | 2- 1- 1- 9/13 | 15.4% | 23.1% | 30.8% | 138 | 71 |
集計期間:2023. 2. 4 ~ 2025. 2.16
伊藤圭三厩舎は永野猛蔵騎手とのコンビでこのコースで結果を残してきました。永野騎手の引退後は目立った成績がみられていない点は気がかり。
まとめ
東京ダート1300mは、スタート直後の上り坂や長い直線といった特徴を持つコースです。逃げ・先行馬が有利とされますが、直線の長さから差し・追い込みも決まりやすい傾向があります。内枠が有利であり、特に1枠や2枠の馬に注目すると良いでしょう。また、ヘニーヒューズやダノンレジェンドといった種牡馬の産駒や、戸崎圭太騎手などの実績ある騎手にも注目です。これらのポイントを踏まえて、東京ダート1300mでの馬券戦略を立ててみてください。